犬は人間のように喋ることができず、体調が悪いときのサインを見逃してしまうこともあるでしょう。
治療が遅くなると症状が悪化してしまうことがあるので、些細な変化やサインも見逃さないようにすることが大切です。
犬は人間と同じようにストレスを感じるため、それが溜まってしまうと病気や死亡の原因になることもあるので注意しなければいけません。
そこで、体調が悪いときの見分け方やどんな病気あるのかについて知っておく必要があります。
体調が悪いときの見分け方

犬は体調が悪いときや病気のときは、色々なサインで人に知らせています。
このサインが分かれば「病気なのかもしれない」と感じて病院に連れて行くこともでき、早い段階で治療を受けられます。
受診をすれば適切な治療が受けられるので大事には至りませんし、元気な状態へと導けるでしょう。
- 元気がない
- 食欲がなくなる
- やせた
- 吐く
- 体をしきりに掻く又は舐めることが増えた
- 毛のツヤが悪くなる
- 目の玉のにごり
- 体に触れると嫌がる
- 便秘
- 下痢
- せきをしている
- 血便
など
体調が悪い原因は食べ過ぎなどもありますが、原因が分からなかったり、ずっと同じ症状が続いている場合は病院で診てもらいましょう。
診てもらった結果、何ともないようであれば飼い主も安心できますし、老犬や便秘などが原因で食欲不振を引き起こしているときは、薬をもらって治療しましょう。
犬がかかりやすい病気
犬の種類や年齢などによってもかかりやすい病気は異なるのですが、主に「ヘルニア」や「膵炎」、「虫歯」や「ガン」などが挙げられます。
軽度のものから危険度の高いものまで様々あり、それぞれ対策を行えば病気のリスクを軽減させることができます。
ヘルニアの原因と治療法

ダックスフンドやビーグル、シーズーやコーギーなどの犬種はヘルニアになりやすいと言われています。
これは組織や臓器が別の場所に飛び出してしまう病気のことで、椎間板ヘルニアの他にも鼠経ヘルニアや臍ヘルニア、会陰ヘルニアや食道裂孔ヘルニアなどがあります。
特に小型犬は、激しい運動をしたり老化や肥満などで腰などに負担がかかってしまうことが多いのです。
そのため普段から散歩に出かかるときは、できるだけ走らないようにしたり、段差の上り下りなど激しい運動をさせないようにしましょう。
ご飯やおやつなどについてもあげ過ぎは良くないので、健康にも気を遣うことが大切です。
ヘルニアになってしまったときの治療法は、内科治療と外科治療の2種類があります。
内科治療では椎間板が安定するまで4~6週間ほど、ケージレストという狭いケージの中に入れ、ステロイドの内服薬やNSAIDSなどの薬で様子を見ることになります。
外科治療ではヘルニアになっている部分を特定し、脱出した物質を摘出する手術を行います。
膵炎の治療法と対策

高齢のメスは膵炎になりやすいと言われています。
膵炎は活性化した膵液が膵臓自体を消化することで炎症を引き起こす病気です。
主に膵管の閉塞や膵臓の損傷、細菌感染などが原因と考えられていて、食欲不振や元気がない、嘔吐や下痢、発熱などの症状が見られます。
膵炎になってしまったときの治療法は症状や病院によっても異なるのですが、輪液療法を行うのが一般的です。
嘔吐を抑える薬や鎮痛剤、抗生剤などを投与して様子を見ることになります。
膵炎にならないようにするためには、栄養バランスが取れた食生活を心がけることが大切です。
植物油やバター、動物性の油などが多い食品は最小限に抑え、糖分の摂取にも気を付けましょう。
虫歯の原因
これまでは犬は虫歯になりにくいと思われていたのですが、近年では全体の5%以上の犬が虫歯にかかっていると言われています。
ご飯の食べかす、糖分が多い食事、歯磨きを怠ったなどが原因で起こります。
犬が虫歯になると「息が臭い」、「歯の色が変色する」、「歯に穴が開く」、「食事を食べるのに時間がかかる」などの症状が見られます。
虫歯にならないようにするためにも、子犬のときから歯磨きをする習慣を付けることが大切です。
虫歯になってしまったときの治療法は、表面なら虫歯の部分を取り除いて充填物を詰めて修復するだけなのですが、虫歯が進行していた場合は歯髄という神経の除去や抜歯が必要になります。
ガンの原因や治療法について

悪性腫瘍のガンは細胞の異常繁殖が原因で起こるとされていて、犬の死因の1位にもなっています。
主に老化やストレス、食品添加物などの化学物質や有害物質、紫外線や遺伝などが原因と言われています。
犬がガンになると「リンパの腫れ」や「食欲不振」、「体重が減る」や「ぐったりする」などの症状が見られます。
犬も人間と同じように定期的に検診を受ければ、早めに治療を行えるため大事に至らないこともあります。
ガンになってしまったときの治療法は、手術療法や薬物療法、放射線治療や免疫治療などです。
どの方法を選ぶにしても、かかりつけの獣医としっかり話し合い、最善の方法で治療を開始しましょう。
血便で考えられる病気は?

血便が出ているときは胃腸炎や胃腸の粘膜が傷ついている他、犬パルボウイルス感染症やポリープなどの可能性もあります。
血便の症状以外にも下痢や嘔吐、食欲不振などがあるときは、すぐにかかりつけの獣医に診てもらい、感染症にかかっていないかを確認しましょう。
さらに、かかりつけの獣医に診てもらうときは便検査なども行うので、血便は捨てずに持って行き、原因についても探ってもらいましょう。
犬がかかりやすい病気については、ヘルニアや膵炎、虫歯やガンの4つが挙げられます。
しかし、犬種や年齢によっては様々な病気を発症する可能性がありますので、「元気がない」、「食欲がない」、「嘔吐」、「下痢」などが続いているときは、原因を探るためにもかかりつけの獣医に診てもらいましょう。
ストレスなどが原因であれば飼い主も安心できますし、病気だったときも重症化する前であれば治療を受ける期間も短くなります。
これらの病気を予防するためにも、定期的に検診を受ければ犬も飼い主も安心して暮らすことができるでしょう。