犬を初めて飼う人は「犬に人間の言葉は理解できないだろうし、どうやってしつけをしたらいいのかわからない」と思っている方も多いことでしょう。
トイレについてや吠えること、噛むことなど、教えることは山ほどあります。
これらは一遍に教えるのではなく、一つ一つコツコツと教えていくことがポイントです。
犬もだんだん飼い主や環境に慣れてくれば、飼い主の態度や話し方などで怒られているのか、可愛がってくれているのかを理解するようになります。
それまではイライラしたりすることもあるかもしれませんが、一日二日で習得できるわけではないので、おおらかな気持ちでしつけを行うことが大切です。
まずは環境に慣れてもらうことが大事

人にも安心できる家や自分の部屋があるように、犬にも安心して暮らせる場所が必要です。
まずは環境に慣れてもらうためにも、犬にとって一番くつろげる場所を作る、見つけてもらうことがポイントになります。
犬によってはソファーやモコモコの敷マット、ペットマットなどを好みます。
家に来た当初はケージに入れ、トイレトレーの周辺におしっこの匂いやマーキングをしてニオイを付けてもらい、その後にケージから出して徐々に行動範囲を広げることが大切です。
ケージから出した後におしっこをしたそうな仕草をしたら、トイレトレーの場所に移動させてトイレの場所を徐々に覚えさせましょう。
トイレは失敗しても怒らない
犬を四六時中見ているわけにもいかないので、トイレとは違うところで「おしっこ」や「うんち」をしてしまうこともあるでしょう。
ですが、こういったときも「コラッ!」と怒ってはいけません。
叱られた犬は、なぜ自分が怒られたのか理解できていないからです。
それもそのはずで、ペットショップで売られている犬は全面におしっこをしてもいいように、トイレトレーの大きなものが置かれていたり、トイレトレーではないところでおしっこやうんちをしてもしつけてくれる人がいないため、どこでするのが正解なのか理解できていないからです。
特にオスであれば、マーキングを部屋中につけて自分の縄張りを確保することに必死になることが多いのです。
また犬によってはトイレトレーのサイズが小さかったり、トイレの場所を間違えて覚えていることもあります。
トイレトレーでおしっこをしなかったとしても叩いてはいけません。
叩き癖がついてしまうと、吠え癖や噛み癖がついてしまうこともあるので注意しましょう。
さらに叱るときだけ構ってしまうと、犬が構ってもらえた遊んでもらえたと思ってしまうことにもなりかねないので、この点も逆効果となります。
トイレのしつけは成功したときにたくさん褒める

トイレのしつけでは失敗したときに起こるのではなく、きちんとトイレの場所でできたときに、たくさん褒めることがポイントになります。
たっぷり褒めてあげることでトイレの場所を少しずつ覚えていき、失敗することもだんだん減っていきます。
さらには、褒めるときに犬用のおやつをあげるのも方法のひとつです。
犬はとても賢いので、おやつをもらうためにトイレのシートでおしっこをしようと考えます。
そのため、ただ褒めるよりも犬用のおやつなどをあげた方が、覚えるのが早くなるかもしれません。
犬によってはうんちを食べてしまうこともあるのですが、このときも同様に食べなかったときにたくさん褒めてあげたり、犬用のおやつなどをあげて食べないように習慣づけていくことが大切です。
無駄吠えをやめさせる方法

犬が吠えるとき、どんなことで吠えているのでしょうか?
- 欲求
- 自己主張
- 不安
- さみしさ
- 警戒
- 音に反応したとき
- 縄張り意識
- 遊びたいとき
- 興奮しているとき
- 遠吠え
犬が吠えるときは以上のようなケースがあります。
鳴き方は「ワンワン」、「クゥーン」、「ウーワンワン」など様々で、飼い主に向かって吠えているときは要求や自己主張などをしていることが多いです。
欲求や自己主張、遊びたいなどの無駄吠えには反応しないようにして、「吠えても意味がない」ことを覚えさせましょう。
犬が吠えても飼い主が反応しなければ、犬はそのうち吠えなくなっていきます。
不安や寂しさで吠えている犬は「クゥーン」と鳴くことが多く、最初は小さな鳴き声でも次第にエスカレートして「ワンワン」と吠えるようになってしまうので注意しましょう。
不安や寂しさなどは、飼い主がいなくても安心できるようにしてあげることが大切です。
少しの間離れていても、「吠える前に自宅に戻る」を繰り返すことで、きちんと戻ってきてくれるんだと犬が理解できるようになります。
これが理解できるようになれば、外出している間も無駄に吠えたりすることはなくなるでしょう。
チャイムの音で吠えてしまうときは、家族が家に入ってくるときもチャイムを鳴らしてみるなど、徐々に音に慣れてもらうことから始めましょう。
噛み癖を直す方法

飼い主を噛む理由としては、本能的な欲求や口の中がむず痒い、ストレスや恐怖、甘えや興奮など様々なことが考えられます。
噛み癖を直すには、ストレスを解消させる、噛む欲求を玩具や硬いおやつなどを与えることなどが効果的です。
運動不足を解消させてあげることができればストレスも解消されますし、噛みたいという欲求が玩具などに向けば、飼い主を噛むことがなくなるでしょう。
それでも犬が噛んでくるときは「痛い」と反応した後、部屋から出て1分くらいしてから部屋に戻るを繰り返しましょう。
これを何度も繰り返すうちに、犬は噛んだら飼い主がいなくなると覚えていき、徐々に噛み癖を直すことができます。
犬の「トイレ」や「吠える」、「噛む」などは適切な方法で徐々に覚えさせていくしかありません。
その都度イライラして怒ってしまうと、「これをすれば構ってもらえるんだ」と理解してしまうので注意しましょう。
犬がトイレを失敗したとき、吠えたときは反応せず、きちんとトイレができたときや吠えなかったときにしっかり褒めるということを習慣づけましょう。
噛む欲求が強い犬には歯磨き用のおやつや骨などのおやつを用意して、たくさん噛ませてあげることも大切です。
怒鳴ったり、叩いたりするしつけは人間に恐怖を感じてしまうため、恐怖で支配しないよう心がけましょう。