犬(ワンちゃん)の病気・健康管理から注意すべき食べ物、生活について

1、犬の病気について

犬種によっても変わってくる

犬も人間と同じように病気にかかります。

また、犬は犬種によってかかりやすい病気があります。

これは、犬の進化の過程で育った環境や体の大きさの違いなどによって自然に生まれてきたものになります。

それに犬は体の不調を訴えることが出来ませんし、我慢してしまう傾向があるため飼い主さんが気付いてあげるしかありません。

愛犬のかかりやすい病気を把握することにより、特にかかりやすい病気をチェックすることが出来ます。

よくある犬種による病気の関係

こちらでは一部犬種によるかかりやすい病気をまとめてみましたので、ご家庭の愛犬欄をチェックしてみてください。※順不同、病状は一部省いております。

チワワ脱臼、水頭症、尿路結石症、低血糖症、角膜炎
柴犬皮膚病、ヘルニア、脱臼、心室中隔欠損症、緑内障、外耳炎
マルチーズ関節炎、貧血、白内障、弁閉鎖不全症、脱臼、緑内障
ゴールデンレトリーバー腎炎、糖尿病、尿道結石症、骨肉腫
ポメラニアンヘルニア、水頭症、脱臼
ミニチュアダックスフンド緑内障、ヘルニア、尿管結石、関節炎、外耳炎、糖尿病
トイプードルてんかん、ヘルニア、糖尿病、悪性リンパ腫、脱臼、網膜萎縮
パグ白内障、緑内障、ヘルニア、水頭症、脱臼
フレンチブルドッグ尿管結石、リンパ肉腫、糖尿病
パピヨン脱臼、皮膚病、白内障
ヨークシャーテリア尿管結石、ヘルニア、水頭症、脱臼、網膜萎縮
ラブラドールレトリーバー悪性リンパ腫、結膜炎、皮膚炎
シーズーヘルニア、糖尿病、緑内障、関節炎

病気も遺伝する?

犬は遺伝子による影響が大きい動物になります。

毛の色などを参考にしてみるとわかりやすいですが、親の毛色を受け継ぐ確率というのはとても大きいです。

それに伴って病気も遺伝することがあります。

愛犬の親犬が以前にかかった、また病気にかかっているという状況を把握することも愛犬の病気を予防する上でとても重要になってきます。

これからワンちゃんを飼おうと検討している方は、親犬の病気の状況も把握しておくと今後の健康管理に繋がってきますので参考にしてみてください。

2、犬の健康管理

お手入れは大切

お手入れはワンちゃんの健康や衛生面を管理する上でもとても大切になります。

定期的に専門のトリミングなどをお店にお任せするお宅であれば比較的清潔な状態を保てますが、費用が掛かるしトリミングに預けるお時間がないというご家庭もあります。

そんな方にはお家でのトリミングを実施しましょう。

お家でトリミング

お家でトリミングをする際は、カットする箇所によって道具を使い分けて下さい。

顔回りやお尻回りなど敏感な場所は出来るだけハサミでカットしてあげる方がワンちゃんも落ち着いてくれるはずです。

下記では特に重要なカット場所をあげてみましたので参考にして下さい。

  • 【足】足裏の肉球を見てみましょう。肉球からはみ出ている毛は、フローリングで滑ってしまったり外では汚れてしまったりとワンちゃんの足に負担が掛かることがあります。バリカンで肉球が見えるようにカットしましょう。
  • 【顔】犬種によって毛の長さや生え方は変わってきますが、ワンちゃんも目が見えないくらい長かったり、音が聞こえないくらい毛で覆われていると、犬本来の感覚が変わってしまいます。特に、耳周りに関しては犬は音を聞くことに長けている動物であることから、聞こえやすいようにしてあげましょう。
  • 【胴体】犬は全身を毛で覆うことにより、環境への適合や皮膚の保護をしています。犬種により長さは変わりますが、夏の暑いときや冬の寒いときの時期に合わせて毛の長さを調整してください。特にお腹周りはワンちゃんにとっても大切な部位であるためカットのし過ぎには注意が必要です。出来るだけ毛並み沿ってカットしてあげるとやり易いでしょう。
  • 【お尻】お尻回りは、衛生面で清潔に保つためにもトリミングでは大切な部分になります。毛が長いことによって排泄物は付着し、ワンちゃんがそれを舐めてしまうことやばい菌が増殖してしまうことがあります。しっかりとお尻の穴が見えるようにカットしてあげるのが好ましいでしょう。

ワンちゃんの毛は健康をあわらす

ワンちゃんは体毛に健康の状態が現れることがあります。

毛のツヤや毛並みなどの不調はタンパク質が原因で起こることが多いです。

タンパク質は、体内に摂取された後、血管を通って様々な生命維持に必要とされる部位で消費され、最終的には体毛へと供給されます。

よって、毛ツヤがない、毛並みが良くないといった状態はワンちゃんの健康状態があまり良くないことも表していることに繋がってくるのです。

一概にタンパク質といっても、人間と犬とでは健康に必要なタンパク質の種類が変わってきます。

ワンちゃんに必要なタンパク質は「動物性たんぱく質」というもので、これは元々犬は肉食動物であったため、動物を捕食することで摂取できるものになっています。

なので、この動物性たんぱく質は種類にもよりますがドッグフードだけで足りるものではありませんので、ジャーキーなどで補ってあげるのも好ましいでしょう。

また、ツヤや毛並みはタンパク質だけでなくビタミンの要素も影響しています。

ビタミン不足は人間でも同じですが表にあらわれやすい栄養不足の一つです。

ビタミンにも多くの種類があり、まんべんなく摂取する必要がありますが、ワンちゃんの場合は特にビタミンA、B、Eを摂取することで毛や皮膚を健康に保つことが出来ます。

ビタミンは、市販されているサプリメントや良質素材のおやつ(ビーフ、馬肉)などから摂取することが出来ますので参考にしてみて下さい。

排泄物も健康のバロメーター

排泄物もまた健康状態をあらわすバロメーターとなります。

まずは色です。

健康的なうんちの色はチョコレート色と言われています。

水分が多い薄い色や逆に水分が少ない黒っぽい色などは不調をあわらしています。

次に硬さです。

硬さに関しては、人それぞれの感じ方が変わってきますのでわかりやすい表現で見ていきましょう。

道端で見かける干からびたうんちを10段階の10としたら、健康的なうんちの硬さは10段階のうち7か8です。

健康的なうんちは比較的硬めということになります。

ワンちゃんも配置箇所は違えど哺乳類であることから人間と同じ体の臓器をしています。

なので、その日の体調によって便が緩かったりすることがあるので、毎日緩い状態、硬い状態でなければあまり気にする必要はありません。

何日も便の調子が悪い場合は、獣医師で精密な検査をすることをおすすめします。

うんちには様々な微生物など病気の疑いといえる情報が詰まっています。

動物病院に行く前に、ワンちゃんのうんちを採取して持参することで詳しく検査をすることが出来ますので、調子が悪いときは参考にしてみて下さい。

3、食べ物について

ワンちゃんとの消化器系の違い

消化器系とは、肝臓や胃、腸などの臓器で食べ物を分解したり栄養素を吸収したりする働きがあります。

これらの臓器は犬も人間も仕組みは同じですが働きに少し違いがあります。

人間には消化出来る物も犬には消化出来ない物があります。

人間は雑食の動物なので、色々なものを体内に取り入れて分解できる構造になっておりますが、犬は元々肉食動物なので、消化出来ない物が沢山あります。

なので、人間の食べ物をそのまま犬に与えることによって病気の原因になることがあります。

特に、塩分については犬に悪影響を及ぼすので、人間が感じるしょっぱいという味は犬にとってはその何十倍もの塩分を取ることになってしまうのです。

犬にとって有毒な人間の食べ物もある

先程も説明した通り、人間にとっては体に良い食べ物であっても、犬には有害になる食べ物がいくつかあります。

一般的に知られているネギ類などになります。

また、人工甘味料や添加物などもアレルギー症状を発症したりする場合があります。

犬に食べ物を与える際はある程度の知識をしっかりと持ち、特に加工品などはしっかりと素材や成分などを事前にチェックする必要があります。

犬にとって有害になる食べ物については後ほどご説明致します。

体重増加につながる可能性がある

ワンちゃんに一口だけと人間の食べ物を与えていませんか?

ご飯を食べているときにワンちゃんが食べ物を欲しそうに見ていたら、これくらいなら大丈夫だろうと人間の食べ物を与えることはワンちゃんにとっては過剰にカロリー摂取となることがあります。

人間の一口と犬の一口では何倍も変わってきます。

例えば、人間のお米の一口分は犬にとっては茶碗一杯分になったりします。

これがさらにカロリーの高い食べ物であった場合、カロリー摂取のし過ぎで体重増加に繋がってきます。

これも小型犬、中型犬、大型犬などの犬のサイズによっても変わってきますが、犬よりもはるかに大きい人間とは摂取カロリーが変化するので注意が必要です。

体が大きいゾウは白菜やリンゴなどを一日に約50kg食べるそうです。

人間が一日に50kgなんて食べれませんし、食べたら栄養素の過剰摂取になりますよね。

なので、ワンちゃんに食べ物を与える際はカロリーのことも頭の中に入れて与えるようにしましょう。

犬が食べてはいけないもの

玉ねぎ、長ねぎ、にら、にんにく

ネギ類はワンちゃんにとってはとても危険な食べ物になります。

アリルプロピルジスルフィドという成分はネギ類には含まれており、これは赤血球を破壊する働きがありますので注意が必要です。

万が一、体内に取り込んでしまうと貧血などを起こす場合があります。

直接食べるだけでなく、みそ汁などの煮汁でも中毒を引き起こすことがあるので特に注意が必要になります。

ふきのとう、アボカド

あまりワンちゃんに食べさせる機会は少ないと思いますが、ふきのとうやアボカドも注意が必要になります。

この2つとも中毒症状を引き起こす可能性がある食べ物になりますが、アボカドに関してはペタシテニンという成分を含んでおり、これをワンちゃんが摂取すると肝機能障害を引き起こす可能性がありますので覚えておきましょう。

4、犬との生活

ストレスは最大の敵

人間もストレスが溜まることにより、心身共に不調となりますがこれはワンちゃんにも同じことが言えます。

ワンちゃんも人間と同じでストレスを敏感に感じやすい動物になります。

ストレスを発散させてあげることは、ワンちゃんの健康維持のためにも大切なことでありますので、ストレスについて見ていきましょう。

ストレスの原因

◆運動不足

運動は、犬にとってはとても重要なことになります。

人間はある程度運動をしなくても問題は心へのストレスには影響がありませんが、ワンちゃんは走ったりと体を動かすことが大好きな動物です。

急に走ったり、ぬいぐるみを振り回したりすることありませんか?

ワンちゃんは体を動かすことによって自らストレスを発散させようとします。

そんな動きを発見したら、お散歩をしたり、雨の日などは室内で追っかけっこをしたり出来るだけ体を動かすことをしてみましょう。

また、運動不足によって筋力の低下や肥満になることがあり、病気を発症する原因ともなりますので体形管理にも気を配ってみましょう。

◆スキンシップ

犬は、スキンシップをとても大切にする動物です。

これは祖先であるオオカミが群れで生活をする上で仲間意識を高めるために取る行動からきているという説もあります。

愛犬としっかりと遊んであげたり、ブラッシングや体を触ってあげることでもワンちゃんにとってはストレス発散になることがあります。

部屋の中を荒らしたり、無駄吠えをしたりする行為はストレスが溜まっているサインでもありますので注意しましょう。

◆環境に敏感

ワンちゃんは、縄張りをとても意識する動物になります。

環境の変化というのはワンちゃんにとっては大きなストレスになります。

ちょっとした変化でも敏感に気付いたりします。

いつもと違う散歩コースであったり、部屋の中の家具の配置が変わるなどワンちゃんはすぐに気付きます。

また、仲間意識が強い動物であることから家族の誰かがいなくなってしまったなどもストレスに影響する原因でもあります。

しっかりとワンちゃんが落ち着ける空間を確保してあげることがストレスを溜めないようにするには重要になってきます。

ストレス解消法は?

◆散歩や遊びの時間を確保

一番のストレス発散方法は体を動かしてあげることになります。

いつものお散歩でも少し走ってみたり、ドッグランなどの開放的な場所で思いっきり走らせてみたりすることで運動する時間を確保してあげましょう。

最低でも一日2回はお散歩をさせてあげることでワンちゃんの気分転換にもなります。

もちろんワンちゃんの犬種によって運動量が変わってきますので、愛犬に合った運動量を飼い主さんが見つけてみてください。

お散歩から帰ってきて、少し座って休憩するくらいがワンちゃんにとってはストレス発散で丁度よい運動量になります。

◆犬用ガムで発散

犬用おやつガムはストレス発散には最適です。

ワンちゃんは物を噛むことでストレス発散をすることが出来ます。

おやつのガムは比較的長持ちするものが多く、ストレス発散以外にも虫歯予防などの効果もあります。

しかし、口に入れるものですのでガムでもワンちゃんに合ったサイズや硬さを選んであげましょう。

また、どのような素材で製造されているかも事前に確認することでアレルギー対応も行ってあげましょう。

◆生活環境を整える

日々生活している環境を快適にしてあげることによってストレスの軽減にも繋がります。

特に、ワンちゃんのお家であるハウスは、ワンちゃんにとっては一番安らげる場所にしてあげることが大切です。

清潔感を保ち、気温・室温に合わせてベッドを快適にしてあげることや給水のお水も新鮮な物に変えてあげることなどがあります。

犬は住処をとても気にする動物でありますので、快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

5、わんちゃんに必要な栄養素

ワンちゃんにも人間と同じで様々な栄養が必要になります。

三大要素と言われる、・タンパク質・炭水化物・脂肪がメインとなり五大要素でビタミンとミネラルが加わります。

これらの栄養素は過剰に摂取しても健康に良くありませんし、不足してもよくありません。

バランスよく摂取することで健康維持に繋がってきます。

また、犬は人間とは違い肉食動物の血を引いていることから、どの栄養素がどれくらい必要なのかが変わってきます。

犬の栄養素に対する知識を覚えておくことで、愛犬の健康管理に役立つので覚えておきましょう。

◆タンパク質

タンパク質は、筋肉・毛・皮膚・骨などを生成するために必要な要素になります。

タンパク質には、動物性と植物性の2種類があり、犬には動物性タンパク質が必要になります。

健康維持に必要な必須アミノ酸は動物性タンパク質からのみしか摂取出来ません。

ドッグフードにもタンパク質は含まれておりますが、良質なタンパク質を摂取する場合は肉類などを直接摂取する方法も推奨になります。

炭水化物

炭水化物は、エネルギーの源となっているものです。

しかし、この栄養素もバランスが大切で過剰でも不足でも健康に影響を及ぼします。

炭水化物は、あらゆる食べ物に含まれており、人間のご飯に例えると主食であるお米やパンになります。

また他の栄養素の働きを促したり、他の栄養素を補ったりと必要な栄養素のため欠かせないものとなります。

◆ビタミン

ビタミンには様々な種類があります。

健康維持のために体調を整える働きをしてくれます。

ビタミンは体内での生成が出来ないため食べ物で摂取するしかありません。

犬に必要なビタミンは約14種類と言われております。

ビタミンはサプリメント等で摂取する方法もありますが、肉類(牛肉、馬肉)にも多く含まれていますので、おやつのジャーキーでの摂取も可能です。

◆ミネラル

ミネラルもビタミンと同様に健康維持をするために必要な栄養素になります。

ミネラルには注意が必要でバランスよく摂取することが大切です。

種類も豊富になりますが、過剰摂取により病気を発症することがあります。

特にワンちゃんにサプリメントで栄養素を摂取している方は用量をしっかりと守る必要があります。

●ミネラルの種類

  • ナトリウム
  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 亜鉛
  • 鉄分   など